AIが考えた名前ほど「かぶりやすい」理由

新商品や新コーナーの名前をAIに考えてもらうと、数秒で何十案も出てきます。便利な一方で、AIは学習した膨大な文章の中から「よく使われる言葉の組み合わせ」を選んで名前を作るため、出てくる案はどうしても「○○の里」「△△工房」「△△庵」のような、耳ざわりの良い定番表現に寄りがちです。

これは、全国のどこかで似た名前がすでに使われている可能性が高いということでもあります。たとえば新潟の直売所が米粉スイーツの新商品を出すのにAIへ「新潟らしい名前」と頼み、候補の中から気に入った一案をそのままパッケージ印刷に回してしまったとします。発売後に検索してみたら、他県の道の駅に同じ読み方の商品がすでにあった、という話は十分に起こり得ます。パッケージや看板は作り直しがきかないコストなので、事前確認を飛ばす代償は小さくありません。

図1: AIが定番表現に寄るため名前が全国で重複しやすい流れ

公開前にやっておきたい4つの確認

候補が絞れたら、印刷や看板の発注前に次の4つだけは確認します。

  1. 完全一致でのGoogle検索。候補名をかぎ括弧で囲んで検索し、同名の店舗・商品・団体が出てこないかを見る
  2. 特許庁の商標検索(J-PlatPat)。同じ、または紛らわしい名称が商標登録されていないかを確認する。登録済みなら使用自体がトラブルの種になる
  3. SNSでの名称検索。Instagram・Xで候補名をそのまま検索し、同名アカウントや投稿がないかを見る
  4. ドメイン・SNSアカウント名の空き状況。将来ホームページやアカウントを作る可能性があるなら、この時点で確認しておくと後で困らない

この4つは専門家でなくても、それぞれ数分でできる作業です。すべて完璧に洗い出そうとすると手が止まってしまうので、「まずこの4つ」と決めて機械的にこなすのが続けるコツだと感じています。

図2: 発注前に行う4つの確認ステップ

明日やれる一歩

AIに商品名・店名の候補を出してもらったら、印刷や看板の発注ボタンを押す前に「候補名をかぎ括弧付きでGoogle検索する」「J-PlatPatで商標検索する」の2つだけは必ず自分の手でやる、というルールを決めてください。この2つは合わせて5分もかからず、防げる失敗の大きさに対して手間が見合います。

AIが名前を思いつく力と、既存のものと照らし合わせて確かめる力は別物です。発想はAIに任せ、最後の確認は人が担うという役割分担を持てば、AIが考えた名前も安心して使えるようになります。