「一度作った文章を、全部に貼る」がいちばん危ない

AIで商品説明や施設紹介を作ると、その文章を自社サイト、ECモール、観光協会のページ、SNSへそのまま貼りたくなります。手書きの頃は面倒で起きなかった「全媒体に同じ文章」が、AIで簡単に起きるようになりました。

8月の記事「AIまとめ記事のコピペ発信がSEOで逆効果になる理由」の続きで、今回は自分の文章を自分で使い回すケースです。

図1: AIで作った1本の文章を3媒体に同文で貼ると、検索エンジンが代表に選ぶのは自社サイトとは限らない

同じ文章を複数媒体に貼ると何が起きるか

Googleは公開資料で、同じ内容のページが複数あるとき、どれを代表として表示するかは検索側が判断すると説明しています。重複自体は違反ではありませんが、その代表が自社サイトとは限らないのが問題です。

理由は3つあります。本家が決められず、集客力の強いECモールや観光ポータルが代表に選ばれて、自社サイトが検索結果から省かれやすいこと。自社サイト内でも、商品AとBの説明を同じ指示で作ると固有名詞以外がそっくりになり、どのページも決め手を欠くこと。媒体ごとに探し方が違い、Googleビジネスプロフィールでは営業時間と場所、ECモールでは内容量と送料が知りたいのに、同じ紹介文ではどちらにも噛み合わないことです。

道の駅の新商品で起きがちな失敗

新潟の道の駅で、地元の米を使った新商品の説明文をAIで作り、自社サイト、ECモール、観光協会のページ、Googleビジネスプロフィール、Instagramの5か所に同じ400字を貼ったとします。1か月後に商品名で検索すると、上位はECモールと観光協会で、自社サイトは2ページ目。本人は「載せる場所を増やした」つもりなので、原因に気づきにくいのが厄介です。

貼り分けの型。媒体ごとに「役割」と「固有の一行」を足す

対策は全部を書き直すことではなく、AIの文章を土台に媒体ごとに2つだけ変えます。

  1. 役割に合わせて順番と長さを変える。自社サイトは作り手の話まで載せる本家、ECモールは内容量と保存方法が先、Googleビジネスプロフィールは店頭で買える事実と営業時間です。
  2. その媒体にしかない一行を足す。「店頭で試食できます」「サイト限定で3個セットあり」など、他に貼っていない事実を1つ入れます。

AIへは土台を貼ったあと「ECモール向けに、内容量と送料を先頭にして200字で書き直して」と媒体名と役割を伝えるだけです。

図2: 同じ400字を全媒体に貼る状態と、媒体ごとに役割と固有の一行を足した状態の比較

明日やれる一歩

自社の看板商品名をGoogleで検索し、自社サイトより上に別の場所が出ていないか見てください。出ていたら、まず自社サイトの説明文だけに「作り手の一言」と「ここでしか買えないもの」を足して書き直す。本家を本家らしくするのが先で、他の媒体は次の更新のついでで構いません。貼る前に「この媒体で読む人は何を探しているか」を一度考えるだけで、同じ手間で検索の入口が自社に戻ってきます。