この記事の対象と、明日やる一歩
新潟の道の駅、直売所、6次産業の生産者の方の中には、取引先(バイヤーや卸、小売店)に商品を紹介するとき、口頭説明かバラバラのチラシで済ませているケースがある。この記事では、商品情報を1枚のカタログにAIでまとめる手順を、実際に使えるプロンプトつきで公開する。
たとえば加工品を新しい卸先に持ち込む前や、道の駅の仕入れ担当に新商品を提案する場面、6次産業の生産者が地域の飲食店に商品を紹介する場面などが典型的だ。
明日やる一歩は一つでいい。手元の商品のうち1品目について、「商品名・特徴・規格(サイズや内容量)・価格帯・保存方法」の5項目をメモに書き出すことから始める。この5項目が揃えば、あとの作業はAIに任せられる。
商品カタログ1枚とは何か
ここでいう「商品カタログ1枚」とは、取引先が初めて商品を検討する際に渡す、A4またはPDF1枚に収まる紹介資料のことだ。写真・商品名・特徴・規格・価格・連絡先が一目でわかる形にまとめたもので、パンフレット全体や商品図鑑ではなく、1〜数品目を素早く判断してもらうための資料を指す。
道の駅や直売所では季節ごとに新商品が出るため、その都度デザイナーに頼んでいると時間もコストもかかる。AIに文章の骨子を作らせ、レイアウトは無料テンプレートに流し込むことで、担当者だけで完結できるようになる。
全手順
ステップ1: 商品情報を5項目で書き出す
商品名、特徴(2〜3個)、規格、価格帯、保存方法・賞味期限をメモ書きにする。この時点で文章として整える必要はない。箇条書きで十分だ。
ステップ2: AIにプロンプトを渡してカタログ文面を作る
以下のプロンプトをそのままAIチャットに貼り付け、ステップ1で書き出した5項目を続けて入力する。
あなたは取引先向け商品カタログの文章を作る担当者です。
以下の商品情報から、A4サイズ1枚の商品カタログに使う文章を作ってください。
【商品情報】
商品名: (ここに入力)
特徴: (ここに入力)
規格: (ここに入力)
価格帯: (ここに入力)
保存方法・賞味期限: (ここに入力)
【出力してほしい項目】
1. キャッチコピー(20字以内)
2. 商品説明文(120字前後。取引先が仕入れ判断できる情報を優先する)
3. 規格・価格の一覧(箇条書き)
4. 取扱い上の注意(保存方法・賞味期限。アレルギー表示が必要な場合はその旨)
誇張表現や、確認できていない効能は書かないでください。
商品が複数ある場合は、この5項目のメモを商品ごとに用意し、同じプロンプトを商品数だけ繰り返す。コピーして書き換えるだけで済むため、出店者ごとに規格や賞味期限の書き方が違う道の駅のような現場でも、カタログの体裁を統一できる。
ステップ3: 出力内容を事実と照らし合わせて確認する
AIが作った文章は下書きとして扱う。価格・規格・賞味期限などの数字は必ず手元の資料と突き合わせる。AIは入力した情報を整えるのは得意だが、入力していない数字を補ってしまうことがあるため、ここは飛ばさない。
ステップ4: レイアウトに流し込む
無料のデザインツールでA4テンプレートを選び、ステップ3で確認済みの文章と商品写真をはめ込む。写真は明るい場所で撮った1〜2枚で十分だ。
ステップ5: 取引先の立場で読み返す
最後に、初めてこの商品を知る取引先の立場で読み返す。仕入れ量・最低ロット・賞味期限など、相手が最初に知りたい情報が抜けていないか確認してから渡す。
取引先が複数ある場合は、ここで作った文章をベースにして、価格帯や規格の欄だけを相手ごとに書き換える運用にすると効率がよい。直売所に置いてもらう場合とスーパーの仕入れ担当に見せる場合とでは、書くべき最低ロットの単位が変わることが多い。文章の骨子は共通にしつつ条件欄だけ差し替える形にしておけば、取引先が増えても作り直しの手間は増えない。
現場でよくある落とし穴
- 特徴を詰め込みすぎて、結局何が強みか伝わらなくなる。特徴は多くても3個までに絞る。
- AIが作った説明文の「濃厚」「上品な甘さ」といった表現を、実物と照らし合わせずに使ってしまう。試食した人の感想に基づく言葉に直す。
- 価格帯だけ書いて、最低発注量や納品リードタイムなど、取引先が最初に聞く条件を書き忘れる。
なぜこの順番が良いか
情報を先に箇条書きで書き出してからAIに渡す順番には理由がある。先に文章化しようとすると書き手の言い回しの好みが先に立ち、抜け漏れに気づきにくい。箇条書きの状態でAIに渡せば、「規格が抜けています」といった形で気づかせてくれることもあり、抜け漏れの発見が早くなる。
レイアウトを最後に回すのも意図的だ。先にデザインから入ると文字数の都合で情報を削ってしまい、取引先が本当に必要な情報が抜け落ちる。文章の中身を固めてから枠に収める方が、情報の欠落を防げる。
一度この型を作っておけば、新商品が出るたびに5項目を書き出してプロンプトに流すだけで、担当者1人でもカタログを更新し続けられる。季節ごとに商品が入れ替わる道の駅や直売所ほど、この繰り返しの効果は大きい。