同じ商品でも、旅行の途中で立ち寄ったお客様と、毎週通ってくれる常連のお客様とでは、心に響く言葉が違います。それなのに紹介文は1本だけ、「みんな向け」に書いてしまいがちです。全員に向けた文章は、結局誰にも深く刺さりません。そこで今回は、AIにターゲット別の3パターンを一度に書き分けさせるプロンプトの型を紹介します。

型は「事実・相手・守ること」の3ブロック

プロンプトは3つのブロックで組みます。①【商品の事実】には名前・価格・製法など確かな情報だけを書く。②【ターゲット】には文章を届けたい相手を3種類書く。③【守ること】には事実にない情報を足さない・誇張しないといった約束を書く。ポイントは、変えるのは②だけで、①と③は全パターン共通にすることです。

図1: 商品紹介プロンプトは「事実・ターゲット・守ること」の3ブロックで組み、ターゲットだけを3種類指定する

そのまま使えるプロンプト例

道の駅の直売所で笹団子を売る場合の例です。

あなたは道の駅の販促担当です。以下の【商品の事実】をもとに、
【ターゲット】の3者それぞれに向けた商品紹介文を、
各150字前後で3パターン書いてください。

【商品の事実】
・笹団子(10個入り1200円)
・地元農家の米粉とよもぎを使用
・毎朝店内の工房で手作り、消費期限は当日中
【ターゲット】
A. 県外から車で立ち寄った観光客(お土産を探している)
B. 週1回来店する地元の常連客(ふだんのおやつ)
C. 離れて暮らす家族に贈り物をしたいお客様
【守ること】
・事実にない効能や受賞歴を足さない
・「絶対」「劇的」などの誇張をしない
・事実だけで書けない部分は【要確認】と書く

なぜ「相手を3つ書く」と効くのか

AIの文章力より、相手を3つ言語化する作業そのものが本体です。同じ「毎朝手作り・期限は当日中」という事実でも、Aには旅の思い出、Bには今日のおやつという日常づかい、Cには期限が短いことの正直な注意書きと、光らせる場所が変わります。書いていて手が止まったら、それは「その相手に何を売りたいか」をお店側がまだ決めていないサインです。3パターンを並べて見比べると、自分の店の一番のお客様が誰なのか、そして贈答向きでない弱点がどこにあるのかまで見えてきます。

図2: 同じ商品の事実でも、観光客・常連客・贈答用それぞれで押し出す場所が変わる

明日やれる一歩

一番売れている商品を1つ選び、上のプロンプトの【商品の事実】と【ターゲット】を差し替えて、そのままコピーして試してみてください。3パターンのうち一番しっくりこない相手こそ、お店がまだ言葉を持っていないお客様です。そこを考え始めることが、紹介文づくりを超えた販促の設計になります。