積んだPDFは、読む前に「読むべきか」を決める

県や業界団体から届く40ページの説明資料、設備メーカーの取扱説明書、観光協会の調査報告。「あとで読む」と積んだまま終わるPDFは多いものです。読めないのは時間が無いからだけではなく、「自分に関係あるか」「どこを読めばいいか」が分からないまま、全部読もうとするからです。

7月の記事では、長いPDFを「3行で要約して」と頼むときの精度の上げ方を書きました。今回はその手前です。要約させる前に、読む価値と読む場所を測る3つの質問をAIに投げます。

図1: 読む前にAIへ聞く3つの質問。誰向けの資料か、関係する章はどこか、読み飛ばすと困ることはあるか

読む前に聞く3つの質問

  1. この資料は、誰が、誰に向けて、何をしてほしくて書いたものか
  2. 自分の立場に関係する章はどこか。関係ない章も挙げてほしい
  3. 読み飛ばすと困ること(期限・申請・条件)はあるか。無ければ「無い」と書いてほしい

PDFを添付して、まとめて聞けます。

添付の資料について、読む前に3つ教えてください。
私は新潟の道の駅で売場を担当しています。

1. この資料は誰が、誰に向けて、何をしてほしくて書いたものですか(2行以内)
2. 私の立場に関係する章・ページはどこですか。関係の薄い章も挙げてください
3. 読み飛ばすと困ること(期限・申請・数字の条件)はありますか。
   資料に書いていないことは補わず、無ければ「無い」と書いてください

なぜ「要約」ではなく「質問」なのか

要約は資料の中身を圧縮する作業で、読むと決めた後に使うものです。読む前に必要なのは、自分と資料の距離を測ることです。

1つ目で書き手の目的を先に知ると、読み方が変わります。会員向けの案内なのか、行政が制度の変更を知らせたいのか、メーカーが新製品を売りたいのか。目的が分かれば、都合よく書かれた部分を割り引いて読めます。

2つ目で「関係ない章」も挙げさせるのがコツです。関係する章だけ聞くと、AIは何かしら見つけて全部を関係ありそうに書きがちです。捨てる章を先に決めるほうが、読む量は減ります。

3つ目の「無ければ無いと書いて」は、AIが親切のつもりで期限らしきものを作らないための一行です。この一行で、答えを判断材料として安心して読めます。

図2: 届いたPDFに3つの質問をぶつけ、閉じる・該当章だけ読む・期限の箇所を先に読む、の3通りに振り分ける流れ

答えの使い方は3通り

判断は3つのどれかです。関係が薄いなら閉じる。関係する章が2つなら、そこだけ原文を開く。期限や条件があるなら、その箇所を最初に読む。40ページが10ページに減ることより、「読むかどうか迷う時間」が消えることのほうが大きいと感じています。

明日やれる一歩

積んであるPDFを1本選び、上のプロンプトの「道の駅で売場を担当」を自分の仕事に書き換えて、そのまま貼ってみてください。3つ目の答えが「無い」なら、その資料は今週読まなくて大丈夫です。