なぜ「月初に5分」で販促が変わるのか
道の駅や観光施設、6次産業の加工所で販促の相談を受けると、ほぼ共通して出てくる悩みがあります。「連休が来てから慌ててPOPを作る」「SNSはネタがある時だけ投稿する」「去年やった企画を忘れていて同じ失敗をする」。販促そのものが下手なのではなく、いつ・何を・どこで出すかが月の途中まで決まっていないことが原因です。
そこでおすすめしているのが、月初に5分だけ使って「今月の販促カレンダー」を1枚作る習慣です。ポイントは、カレンダーを人がゼロから考えないこと。行事・旬・在庫という「材料」だけを人が集め、それを日付に並べて販促案を添える作業はAIに下書きさせます。人が考えると1〜2時間かかる作業が、材料さえ揃えば5分で叩き台になります。
この記事では、そのまま貼って使えるプロンプト全文と、現場で実際に回すための手順をまとめます。ChatGPT・Claude・Geminiのどれでも同じ文面で動きます。
手順:4ステップで今月分を出す
- 材料を3種類、箇条書きで集める(人・3分) AIが知らない情報だけを人が用意します。(a) 今月の行事・連休・地域イベント(例: 9月は敬老の日、シルバーウィーク、地元の秋祭り、稲刈り)。(b) 自社で扱う地場産品の旬(例: 新米の入荷予定、枝豆の終盤、梨・ぶどうの最盛期)。(c) 在庫と売りたいものの事情(例: 夏物ジェラートの在庫を月内に売り切りたい、新商品の味噌漬けを試食で認知させたい)。各3〜5行で十分です。
- プロンプトに貼って実行する(AI・1分) 下記の全文をコピーし、【材料】の欄に1で集めた内容を貼って送ります。出力は「日付/販促内容/使う媒体/担当」の表で返ってきます。
- 赤入れする(人・1分) 出てきた案のうち「うちの客層に合わない」「人手が足りない週」を消し、残った案に担当者名を入れます。全部採用する必要はなく、月に4〜6本残れば十分です。
- カレンダーを見える場所に貼り、週1回見返す(人) 事務所のホワイトボードや共有カレンダーに転記します。月曜の朝礼で「今週の販促」を1分確認するだけで、実行率が目に見えて変わります。
プロンプト全文(コピーしてそのまま使えます)
あなたは新潟県内の道の駅・観光施設・農産加工品を扱う事業者の販促アシスタントです。
以下の【材料】をもとに、「今月の販促カレンダー」の下書きを作成してください。
【条件】
- 出力は表形式。列は「日付(または週)」「販促の内容」「使う媒体(店頭POP/SNS/LINE/チラシ)」「準備開始日」「担当(空欄)」の5列
- 販促案は月に6本まで。連休・行事の3〜5日前に「告知」、当日に「実施」の2段階に分ける
- 販促の内容は【材料】に書かれた行事・旬・在庫事情だけを根拠にする。材料にない商品や行事を勝手に足さない
- 各案に「なぜこの日か」の理由を10〜20字で添える
- 「絶対」「劇的」「必ず売れる」など強い表現は使わない
- 表の下に「今月やらないと決めたほうがよいこと」を2点、理由つきで書く
- 全体で日本語、Markdown形式で出力する
【材料】
(a) 今月の行事・連休・地域イベント:
(ここに貼る)
(b) 扱う地場産品の旬・入荷予定:
(ここに貼る)
(c) 在庫事情・今月売りたいもの・試したい新商品:
(ここに貼る)
(先月のカレンダーがあれば以下に貼る。書式と表現をこれに合わせること)
現場でよくある落とし穴と、この順番にしている理由
落とし穴1: 材料を集めずにAIへ「今月の販促を考えて」と聞く
材料なしで聞くと、AIは全国どこでも通用する当たり障りのない案(「秋の味覚フェア」「敬老の日ギフト」)を並べます。それ自体は間違いではありませんが、新米の入荷日や自社の在庫事情を知らないので、実行段階で「今それは売れない」となりがちです。手順1を飛ばさないのが、この型で一番大事なところです。
落とし穴2: 案を全部やろうとして、全部が中途半端になる
AIは頼めば案を20本でも出します。しかし道の駅の現場で月に回せる販促は、経験上4〜6本が上限です。だからプロンプトで「6本まで」と上限を切り、赤入れでさらに減らします。減らす作業を人がやることで、現場の人手と釣り合った計画になります。
落とし穴3: 「告知」と「実施」を同じ日にしてしまう
連休当日にPOPを出しても、お客さんはもう店に来ています。来店前に知ってもらうには、3〜5日前のSNSやLINEでの告知が必要です。プロンプトに「2段階に分ける」「準備開始日を書く」と入れているのは、この逆算を毎回AIに強制するためです。
なぜ「月初」で「5分」なのか
月の途中でカレンダーを作ると、すでに過ぎた行事が抜け、残りの日程で無理をすることになります。逆に前月末に作ると、旬の入荷予定がまだ固まっていません。月初1〜3営業日が、材料が揃っていて日程にも余裕がある唯一のタイミングです。「5分」と短く区切っているのは、長くすると後回しになるからです。完璧な計画より、毎月続く粗い計画のほうが販促の成果は積み上がります。
続けるためのコツ:先月分を「型」として貼る
2か月目からは、先月赤入れした完成版をプロンプトの末尾に貼ってください。AIが自社の言い回し・媒体の使い分け・案の粒度を学び、赤入れの量が月ごとに減っていきます。半年もすると「自社専用の販促カレンダー生成テンプレ」が手元に育っている状態になります。これはAIと設計の型があれば自社構築できる、いちばん小さな業務改善の例です。
明日やれる一歩
まず手順1の材料集めだけを、今月分について箇条書きで書き出してください。行事・旬・在庫の3項目、合計10行程度で構いません。AIに送るのはその後で十分です。材料が手元にあるだけで、次にプロンプトへ貼るまでの心理的な壁はほぼ消えます。