月8本を「まとめて作る」発想に切り替える
LINE公式アカウントは、友だち登録した人のスマホに直接届く媒体です。ただ、道の駅や観光施設の現場でよく聞くのが「配信したいけど毎回文面を考える時間がない」という声。思いついたときに書く運用だと、繁忙期に止まり、そのまま数か月空いてしまいます。
そこで提案したいのが、月初に1時間だけ確保して、翌月分8本(週2本)をAIで下書きし、人が仕上げて予約配信まで済ませる運用です。ポイントは「1本ずつ書く」のではなく「8本を1回で作る」こと。AIは同じ条件で複数案を出すのが得意なので、まとめて頼むほど1本あたりの手間が減ります。
新潟の道の駅や直売所は、枝豆・梨・新米・冬の漬物と、月ごとに主役の商品が入れ替わります。月単位でまとめて書く運用は、この季節のリズムとも相性がよく、「来月は何を推すか」を月初に一度決めるだけで、配信の軸がぶれにくくなります。
運用手順(月初1時間)
- ネタ表を埋める(15分)。翌月のカレンダーを見ながら、8本分のテーマを書き出します。おすすめの配分は「旬の入荷・新商品2本」「イベント・営業案内2本」「スタッフや生産者の裏側2本」「クーポン・お得情報2本」。売り込みだけだとブロックが増えやすいので、裏側系をなるべく混ぜます。
- AIに8本まとめて下書きさせる(10分)。下のプロンプトにネタ表を貼り付けて実行します。
- 人が手直しする(25分)。数字・日付・固有名詞を実物と照合し、現場の言葉に直します。ここは省略しません。
- LINE公式アカウントの予約配信に登録する(10分)。配信時刻は来店前日の夕方や、週末前の金曜昼など、読者が予定を決めるタイミングに寄せます。
手順3の手直しは、次の3点だけ見れば十分です。「日付・価格・数量が実物と一致しているか」「【要確認】の印が残っていないか」「自分の店の言い回しになっているか(たとえば『枝豆』を地元の品種名で呼ぶなど)」。時間を25分と多めに取っているのは、この照合を急がせないためです。観光施設なら、連休の営業時間や駐車場の混雑見込みなど、当日に問い合わせが集中する情報ほど念入りに確認します。
そのまま使えるプロンプト全文
あなたは新潟県の道の駅「(施設名)」のLINE公式アカウント担当です。
以下のネタ表をもとに、来月分の配信文を8本作ってください。
【条件】
- 1本あたり120〜200字。冒頭1行で用件が分かるようにする
- 絵文字は各本2〜3個まで。文末に来店・予約・購入のひと言を添える
- 誇張表現は使わない。価格・日付・数量はネタ表の値をそのまま使い、
不明な箇所は【要確認】と書く
- 語り口は「顔の見える店員さん」。敬語だが堅すぎない
【ネタ表】
1. 旬の入荷: 9/6 枝豆の最終入荷、1袋300円、朝どり
2. イベント: 9/14-15 収穫祭、試食あり、10時〜15時
3. 裏側: 加工所で新しいジャム試作中、担当は入社2年目
(以下8本目まで)
【出力形式】
本番号・配信予定日・本文、の順で8本並べる
3本目の「裏側」のように、担当者の人柄が出るネタは、あえて情報を薄く渡してAIに質問させるのもコツです。「【要確認】担当者の一言を入れてください」と返ってきたら、その空欄を現場で埋めるだけで、機械っぽさが消えます。
現場でよくある落とし穴
落とし穴1: AIの出力をそのまま配信してしまう。 一番多い失敗です。AIは「9月中旬まで販売」など、もっともらしいが根拠のない補足を足すことがあります。プロンプトに「不明は【要確認】」と入れているのはこのためで、手直し工程で【要確認】を全部消すまで配信しないルールにします。
落とし穴2: ネタ表を作らずにAIに丸投げする。 「道の駅のLINE文を8本書いて」だけでは、どこにでもある文章になります。ネタ表の粒度が仕上がりを決めます。入荷日や価格など、現場しか知らない事実を渡すことが、AI活用の本体です。
落とし穴3: 手順の順番を逆にする。 先にAIに書かせてからネタを考えると、AIの提案に引きずられて自社の強みが薄まります。ネタ表→AIの順番を守るのは、主導権を現場側に置くためです。
落とし穴4: 8本すべてが同じ調子になる。 まとめて作る運用の副作用です。読み返して似た書き出しが続いていたら、「3本目と6本目は書き出しを質問形にして」とAIに追加で頼むと直ります。全部を作り直す必要はありません。
明日やれる一歩
まず着手すべきは手順1の「ネタ表」だけです。明日、翌月のカレンダーを開いて、8本分のテーマを紙でもスマホのメモでもよいので書き出してください。AIを触るのはその後で構いません。ネタ表さえあれば、上のプロンプトに貼るだけで下書き8本が手に入ります。
週2本の配信が3か月続けば、友だちが「この店は毎週何か動いている」と感じるようになります。AIと設計の型があれば、この運用は自社で回せます。