口コミ返信が止まる理由は「文章力」ではなく「段取り」

Googleマップの口コミに返信できていない道の駅や観光施設は多いです。理由を聞くと「文章を考える時間がない」「低評価にどう返せばいいか分からず後回しになる」の2つに集約されます。

つまり止まっているのは文章力ではなく段取りです。そこで、書く作業をAIに任せ、人は判断だけをする「週1時間のルーチン」に組み替えます。

新潟の観光地は、夏の海水浴や秋の紅葉、冬のスキーなど来客の波が大きく、口コミも繁忙期にまとめて増えます。忙しい時期ほど返信が滞り、閑散期に思い出して一気に返す、という施設が少なくありません。曜日で区切ったルーチンにしておくと、繁忙期でも「月曜に集めるだけ」は続けられます。

図1: 月曜に集めて火曜にAIで下書き、水曜に人が直し、木曜に投稿する週1時間の流れ

曜日別ルーチン(合計およそ1時間)

  1. 月曜・15分:集める。 先週ついた口コミを、星の数・本文・投稿者名の3点で一覧にします。Googleビジネスプロフィールの画面を写して貼るだけで十分です。
  2. 火曜・20分:AIに下書きさせる。 後述のプロンプトに一覧を貼り付け、全件分の返信案を一度に出します。1件ずつ頼まないのがコツで、トーンが揃います。
  3. 水曜・15分:人が読んで直す。 星4〜5は軽く目を通して確定。星1〜3は現場担当に「本当にあったことか」を確認し、事実を1行足します。
  4. 木曜・10分:投稿する。 確定分を貼り付けて公開します。
  5. 金曜・5分:改善点を1行メモ。 「トイレの案内表示が分かりにくいという声が2件」など、翌週の朝礼に回せる形で残します。

なぜこの順番かというと、集める日と書く日を分けることで「口コミを見た勢いで感情的に返信してしまう」事故を構造的に防げるからです。低評価を読んだ直後に書いた返信は、言い訳が混ざりやすいものです。

そのまま使えるプロンプト全文

火曜に使うプロンプトです。施設名と特徴の行だけ自店に書き換えてください。

あなたは新潟県の道の駅「○○」の店長です。以下の口コミ一覧に対する返信文を、
1件ずつ作成してください。

【施設の特徴】
・地元農家の直売野菜、笹だんごなどの加工品、食堂を併設
・観光客と地元客が半々。冬は積雪あり

【返信のルール】
・150字以内。冒頭は必ず来店への感謝
・口コミ本文に出てきた商品名・場所を1つ拾って具体的に触れる
・星3以下の場合:言い訳をしない。「ご指摘の点は担当者と確認しました」と
 書き、改善内容の部分は【現場確認】と空欄にして人が埋められるようにする
・「必ず」「絶対」など強い断定語は使わない
・投稿者名は呼ばず「お客様」で統一する
・すべての返信を同じ言い回しで始めない(3パターン以上に分散)

【口コミ一覧】
(ここに星の数と本文を貼る)

「【現場確認】と空欄にする」の1行が、この型の要です。AIは聞かれていない改善策まで書いてしまうため、約束にあたる部分だけ人の手に残す設計にしています。

低評価への返信で守る3つの判断ルール

図2: 星4〜5は投稿可、星1〜3は現場確認、約束の言葉は人が入れる、の3ルール

ルーチンを回し始めると、つまずくのはほぼ低評価の扱いです。次の3つを紙に貼っておくと迷いません。

  • 星4〜5はAIの下書きをそのまま投稿してよい。 定型に近くても、商品名が1つ入っていれば十分に「読んだ感」が出ます。
  • 星1〜3は現場に事実確認をしてから。 AIは「ご不快な思いをさせ申し訳ありません」と滑らかに謝りますが、実際は混雑日の一時的な品切れだった、といったことがよくあります。事実を1行足すだけで、読んだ第三者の印象が変わります。
  • 約束する言葉は人が入れる。 「改善します」「次回は〜」は、責任者が本当にやると決めたことだけ書きます。AIに約束させると、次に来た客の口コミで「直っていない」と書かれます。

現場でよくある落とし穴

返信を1人に任せきりにする。 担当者が繁忙期に手一杯になった瞬間に止まります。月曜の「集める」だけでも別の人に振ると、ルーチンが途切れにくくなります。

すべてに長文で返そうとする。 返信の目的は投稿者との会話ではなく、次に読む見込み客への印象づくりです。星5に300字は要りません。

AIの下書きを「直さずに」使い続ける。 慣れてくると水曜の確認が形だけになります。月に1回は投稿済みの返信を5件ほど読み返し、同じ言い回しが続いていないか、店の言葉づかいとずれていないかを見てください。ずれがあれば、プロンプトの【施設の特徴】に1行足すだけで直ります。

口コミの一覧を毎回ゼロから作る。 表計算に「日付・星・本文・返信案・確定」の5列を用意し、そこに貼り続けるだけで、半年後には自店の改善履歴になります。6次産業で加工品を扱う施設なら、商品名ごとに集計して次の仕込み判断にも使えます。

明日やれる一歩

まずは月曜の作業だけ、明日15分でやってみてください。先週分の口コミを星の数と本文で一覧にするだけです。書く日と投稿する日はその後で決めれば間に合います。一覧ができた時点で、上のプロンプトに貼れば火曜の作業まで一気に試せます。