電話の前に固まってしまう理由
取引先への謝罪電話は、原稿を用意していても本番になると順番が崩れる。詫びる気持ちが先に立ち、事実確認・原因・対応策の説明が前後してしまい、相手に「結局どうするのか」が伝わらないまま切ってしまう、ということが起きやすい。
道の駅の直売所で、仕入れ先の農家さんへ「天候不順で納品予定の野菜を数量どおり揃えられない」と伝える電話を思い浮かべてほしい。謝罪から入って詳細説明に戻り、また謝るという行き来をすると、電話を切ったあとに「結局いつまでに何個届くのか伝え忘れた」と気づくことがある。
これは心理的な癖でもある。電話をかける前は「早く事情を説明しなければ」という焦りが先に立ち、結果として原因の説明から始めてしまい、詫びる一言が後回しになりやすい。
AIに「話す順番」だけを組ませる
ここで生成AIに頼むのは、文章そのものではなく電話で話す順番の整理だけにする。原稿を丸ごと作らせると、電話特有の間や相手の反応を待つ間合いが消えてしまうためだ。
取引先へのお詫び電話の準備をしています。以下の事実を、
電話で話す順番に並べ替えてください(文章化はせず、箇条書きの見出しのみでよい)。
・何が起きたか:(ここに事実)
・原因:(ここに原因)
・相手への影響:(ここに影響)
・こちらの対応策:(ここに対応策)
・今後の再発防止:(ここに再発防止)
条件: 最初に結論(迷惑をかけた事実の謝罪)、次に影響、
そのあとに原因、最後に対応策と再発防止の順で並べてください。
このプロンプトが効くのは、AIに「順番」だけを判断させ、実際に口にする言葉は自分で選べる点にある。原稿を全部書かせてしまうと、電話口で読み上げているような不自然さがかえって相手に伝わってしまう。
明日からの一歩
次に謝罪の電話をかける前に、上のプロンプトの空欄を埋めて生成AIに投げてみてほしい。出てきた順番をメモに書き写し、電話の前に一度声に出して読むだけで、話の行き来はかなり減る。この一手間だけで、相手に「準備してから電話してきた」という印象を持ってもらえるはずだ。