探し物の時間は、AIを入れただけでは減らない

道の駅の会議直前に「去年の収穫祭の収支表、どこだっけ」と全員でパソコンをのぞき込む。チラシ原稿は「最終」「最終2」「本当に最終」が並ぶ。よく見る光景です。

AIに「探して」と頼めば済みそうですが、AIは読める形になっていない資料は探せません。コツは、先に「AIが読める形」で持たせておくこと。型は3つです。

  • フォルダは3階層まで。 「業務の種類 → 年度 → 案件名」。例:「イベント / 2026 / 秋の収穫祭」。深いと人もAIも迷います。
  • ファイル名は「日付_内容_版」。 例:「20260913_収穫祭_収支表_v2」。「最終」は使わず、v1・v2で進めます。
  • フォルダごとに「台帳.txt」を1枚。 何が入っていて、どれが最新かを箇条書きにした文章ファイル。AIはこれを読んで案内役になります。

図1: AIが読める資料の持たせ方は「フォルダ3階層・ファイル名の型・台帳」の3つ

整理そのものをAIに下書きさせるプロンプト

フォルダの整理は気が重い作業なので、ここもAIに下書きさせます。エクスプローラーでファイルを全選択し、Shiftを押しながら右クリック→「パスのコピー」で一覧を取り、こう頼みます。

あなたは小さな会社の書類整理の担当者です。
以下は、ある共有フォルダのファイル名一覧です。次の3つを出力してください。

1. 「業務の種類 / 年度 / 案件名」の3階層で、おすすめのフォルダ構成
2. 各ファイルの新しい名前(形式: 日付_内容_版。日付が不明なら「日付不明_」で始める)
3. フォルダごとの「台帳.txt」の中身(何の資料か・最新版はどれか・注意点を箇条書き)

迷ったファイルは勝手に分類せず、「要確認」としてまとめてください。

【ファイル名の一覧】
(ここに貼る)

台帳ができたら、次からは台帳をAIに貼って「収穫祭の収支表の最新版はどれ?」と聞くだけです。ファイル本体を渡さなくても案内できます。

なぜ「台帳」が効くのか

AIが得意なのは文章を読むことで、開かないと分からないファイルの山を漁ることではありません。人が3行の説明を付けた台帳を読ませるほうが、中身を毎回読ませるより速く、間違いも減ります。出荷者名簿のように個人情報を含む資料も、台帳に「出荷者名簿・2026年度・担当は事務」とだけ書けば、中身をAIに渡さずに案内できます。

もうひとつ、「要確認」の箱が大事です。逃げ道がないと、AIは似た名前のファイルを自信ありげに分類してしまい、あとで人が直す手間が増えます。

図2: ファイルの山をそのまま渡す場合と、台帳を渡す場合のAIの案内の違い

明日やれる一歩

いちばん散らかっているフォルダを1つ選び、ファイル名の一覧を上のプロンプトにそのまま貼ってみてください。返ってきた台帳を「台帳.txt」として保存するまでが今日の仕事です。台帳が1枚できたフォルダから、「あの資料どこ?」が減っていきます。